- じねん
- I
じねん【持念】〔仏〕(1)仏の正しい教えを忘れることなく常に心に保つこと。(2)念ずること。 祈ること。II
「玄宗自ら香炉を取りて~して三蔵に申し給はく/今昔 6」
じねん【自然】〔呉音〕(1)〔仏〕 ある事物や事態が, 外部からの影響力によるのではなく, それが本来的に備えている性質によって, 一定の状態や特性を生ずること。→ 自然法爾(2)万物は因果によって生じたのではなく, 現在あるがままに存在しているものだとする考え。 仏教の因果論を否定する無因論で, 外道(ゲドウ)の思想の一つ。(3)人為が加わらないこと。 ひとりでにそうなること。 ありのまま。「コレワ別ノ子細デワナイ。 タダ天道ノ~ヂャ/天草本伊曾保」
(4)たまたまそうであること。 偶然。「衣の内より火出で来て焼けぬ。 此れ~の事かと思ひて/今昔 4」
〔古くは「じねん」はありのままの意, 「しぜん」は万一の意に使い分けられた〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.